ファンレター未満

今すべてが始まる

【ネタバレ注意】「考えるな、感じろ」?『虎者』は考えても考えてもTravis Japan7人が掴み取った物語だと私は思う

 

 

 虎者 ―NINJAPAN― 幕開け、おめでとうございます。 

 f:id:miimoon:20191110020532j:image

座長として心を込めて、身体を追い込み、

最新の技術を使うことでさらに引き立てられる最高のパフォーマンス。

何よりTravis Japanみんなの嬉しそうな笑顔。

最初で最後の7人の初主演舞台。

 

正直なところ、私が持った最初の感想は、

「ストーリーを省かないでほしかった」というものだった。

 

 トラジャのメンバーをコンサートではなく舞台で最初に観たのは、 

『いまを生きる』という昨年10月に上演された外部舞台だ。

www.ima-iki2018.jp

 

 その作品は登場人物の心情の機微を懇切に描いたものだった。

大胆だけど繊細で壊れてしまいそうな宮近くんのニールも、

はじめての恋に出会い胸の高鳴りを溢れさせずにはいられない

ノックス・オーバーストリート・しめちゃんも、

周りの期待や世間で名誉とされていることを疑うことに、

最後まで足踏みして自分の道を歩む中村海人さんのキャメロンもとても好きだった。

他の役者さんが演じるキャラクターも個性的で魅力的だった。

 

私は『いまを生きる』が大好きだった。

 

 『虎者』はストーリーで丁寧に描いてほしい部分が端折られていて、

 7人が夢に見ていた初主演舞台のストーリーに、

勝手に期待し想像を膨らませていた私にとってはショックが大きかった。

『いまを生きる』には出演していなかった4人の演技も、

Endless SHOCK』やえび座のDVDで観たことがある。

 

Travis Japanなら、感情の動きをもっともっと丁寧に演じられるのに。

 

パフォーマンスは最高のものを準備してきてくれているのに。

 

色んな意見が流れ落ちていくTwitterTLを見るのも少し億劫になって、

 観劇後は少しTwitterを離れた。(すごいちょっとだけ) 

 

 それから数日が経って、買い物に行ったりマレフィセント2を観たり

仕事に行ったりいつもの日常を過ごしていると、

トラジャの熱のこもった鬼気迫る演技の記憶がふと頭に蘇ってくることがあった。

 

自分勝手に理想を押しつけてショックを受けて、

心とか身体とか命とか感情とかそういうもの全部を削りながら、

ステージできらきらと輝くトラジャと『虎者』を一緒に喜べないのは、

淋しくてつらい。

 

考えることをやめてはいけないと思った。

自分が納得できない省かれたストーリーだからと言って、

トラジャの初の舞台を一緒に喜べないなんてそんなの嫌だ。

トラジャが信じているものを、ファンが信じなくて誰が信じる?

トラジャが身を粉にして努力して挑んでまで、

そんな風になってまで伝えたかったストーリーが必ずあるはずなんだ。

 

 

 考えて考えて考えた。 

 

 

『虎者 ―NINJAPAN―』のストーリー。 

それはTravis Japan7人がジャニーズJr.として歩んできた7年間の歴史物語」だ。

 

※私は感情がついていけないような省略の多いストーリーではなく、

重厚感があってトラジャの演技力を生かせるようなものを切望しており、

また女性や子どもへの暴力の描写(体感時間では割と長く感じる)に関しても

許容し難い部分がありますが、

その部分的な要素だけで虎者を捉えたくない、と思いこの考察を書きました。

何というか…トラジャと喜びたくて自分を納得させたくて辿り着いた考察です。

「こんな見方もあるんだ」くらいにフッ軽に受け取ってくださったら幸いです。

 

 

 物語は、悪の世に君臨する父である帝王・朱雀の元に生まれた

7人の兄弟(=虎者)が、 朱雀の術(?)により

紅孔雀(宮近海斗松田元太・松倉海斗)と 

碧鷺(中村海人七五三掛龍也川島如恵留吉澤閑也

2組に分けられ、 修行に励むところから始まる。

 

なぜこの2組に分かれる必要があるのか?

このメンバーでこの2組を構成する意図は何なのか。

 

紅孔雀と碧鷺に分かれるシーンでは、

それぞれ赤と青のスポットライトが当てられる。

 

「過去にさかのぼる」というオオワシハヤブサの案内通りに、

過去にさかのぼって考えてみる。

 

紅孔雀を構成する3人のメンバーを見て思い起こされるのは、

2013年の『Sexy Boyz』である。

Sexy Boyz』は、Jr.のメンバー(時によってはSexy Zoneのメンバーも)で構成されたユニットだ。

2013年当時、宮近くんのことをオンタイムで応援していたわけではない

(お顔と名前も一致していなくて名前は聞いたことがある、

程度の知識しかなかった)ので、

 この辺りは調べて分かったことを記させていただく。

 

宮近くんは2012年のTravis Japan結成時からのオリジナルメンバーではあったが、

2013年にSexy Zoneのコンサートに出演したり

(「Travis Japanなんですけど、出張してきました」と話したそう)、

自分の出演が叶わなかったプレゾンを観劇して「次は出たい」と語ったり、

Travis Japanとしての活動から一時的に離れていたことがあった。

 

20144月末からスタートしたジャニーズ銀座(シアタークリエ)では、

Sexy Boys』として、岸優太さん・神宮寺勇太さん・

岩橋玄樹さん・阿部顕嵐さんと5人でステージを盛り上げたこともあった。

 

宮近くん命名で、この5人は頭文字のアルファベット

(神宮寺さんと岸くんは半ば強引に当て字で)を取って

MAGIC』と呼ばれ、親しまれていた。

(名前のつけ方が可愛過ぎて死にそうになった。Happiness is here感がすごい。You are Mickey Mouse. 

 

松田元太さん・松倉海斗さんの松松は

2017年の11月にTravis Japanに加入している。

それまでは『Sexy Boyz』や『Sexy 松』として活動したり、

舞台『Endless SHOCK』、松田元太くんは『ミクロワールド・ファンタジア』への出演、

コンサートで先輩たちのバックにつくなど、経験を積んできた。

 

碧鷺を構成するメンバーの中村海人さん・七五三掛龍也さん・

川島如恵留さん・吉澤閑也さんは皆、

 2012年から2015年(現状PLAYZONEの公演としては最後)まで、

 Travis Japanとして舞台に立ち続けた。

 

こう言っていいのか分からないけど、 

Travis Japanとして、Travis Japanであり続けた人たち。

(もちろん、宮近くんもです。)

 

 

『紅孔雀』は、他の活動との兼ね合いで、Travis Japanの活動から一時的に離れたり、

 あるいはある地点からTravis Japanとなったメンバー、

『碧鷺』はTravis Japanであり続けたメンバー、と読み解くことができる。

 

 

修行を積んでいたというのは、

「それぞれにジャニーズJr.としての経験を積んでいた」ということ。

 

クジャク・サギという名前は、

朱雀の手下のハヤブサオオワシと対応した鳥の名前になっている。

 

ハヤブサは世界一速く飛ぶことができる鳥。

オオワシは日本一大きな鳥。

(世界一大きな鳥だとダチョウになってしまい、

名前の格好良さに致命的大ダメージを食らう。

ダチョウじゃなくて本当によかった…!) 

 

ハヤブサオオワシは、「デビュー組や他のJr.」のメタファーなのではないかと私は考える。

 

朱雀の配下にある仲間ではあるけれども、

上を目指せば、いつか戦わなければならないかもしれない好敵手。

 

King & Princeの神宮寺くんはジャニーさんから向けられた厳しい言葉を振り返る。

 

CDを出すっていうことはこの先数字と勝負していかなきゃいけないって言われて

デビューしたら君たちは一番下 後輩になって

数字に追われていく人生になっちゃうんだけどそれでも良いの?

(デビューしたいの?)」

 

(フジテレビ『RIDE ON TIME20191025日放送回より)

 

数字と戦うということは、自ずと周りの人たちが、

たとえ尊敬する先輩たちであっても、ライバルになる可能性があるということだ。

 

孔雀は見て分かる通り、羽根の模様が他に類を見ない壮麗で神聖な鳥。

鷺は、屋根まで白い建築群の美しさをもって

姫路城が別名『白鷺城』と呼ばれているように、

美しさの比喩になり得るほどに見目麗しい鳥。

 

Travis Japanの持つ唯一無二のスキルであるダンスを、

身体の一番末端の神経まで注意を行き届かせたTravis Japanのダンスの流麗さを、

表現するのに最適な種類の鳥たちである。

 

そして、「紅=赤」と「碧=読み方の通り青」の色を混ぜ合わせると、

「紫」になる。 

(碧は青緑だけど、青って考えた方が素敵なことが起こるから)

 

紫。Travis Japanの色。大好きな人たちのグループカラー。 

 

ちなみに紫色は冠位十二階で最も高貴な色とされている。Travis Japanにぴったりな色。

1,000年以上前からトラジャのグループカラーが高貴とされているなんて…聖徳太子最高である。ゲームにもなってくれて…ありがとう聖徳太子

 

www.youtube.com

 

 

紅孔雀と碧鷺が合わさって、虎者になる。

Travis Japanになる。

 

 

そして、兄弟には生き別れた妹がいた。 

虎者は生き別れた妹に再び会うことを夢見ながら、修行を続けていた。

 

帝王・朱雀の娘カゲロウは、朱雀に命じられ、虎者の動向を視察しに行く。

カゲロウはそこで出会った虎者7人のうちの誰かのことを愛してしまう。

 

カゲロウが虎者の誰かに対して抱いた恋心を、帝王・朱雀は決して見逃さない。

「兄を愛してしまった気分はどうだ?」

「お前は兄を殺すか殺されるかだぞ」

「辛かろう?心苦しかろう?いかにすれば楽になると考えるか?

あいつらを殺せば自由だ」

 

そして虎者たちにも言い放つ。

「闇の虎者になりたくはないのか」  

「愛も家族も絆も要らぬ」

「(妹を)その手にかけるのだ」

「(自分が闇の虎者になれていれば)妻を失うことはなかった」

 

強大な力を得ることを唆す父に屈することなく、

「妹を殺すことはできない」と愛を選ぶ決意をした虎者は、

赤と緑の衣装から変わり眩い白の衣装に身を包み、

妹・カゲロウと 共に朱雀と戦う。

 

 

ここからは、虎者のテーマ曲である『Namidaの結晶』の歌詞と併せて、 

ストーリーを考察していきたい。

 

Namidaの結晶』 Travis Japan

 

Namida Namida 枯れるほど   泣いたあの日にさよならを

会いたい 会いたい 募るこの思いどうか   風よいつか 届けて 夢の空に

 

 

涙が枯れるほど泣いた過去のあの日。あの日とはいつなのか?

なぜそれほど泣いてしまったのか。会いたいのは誰?

あの日を境に誰かに会えなくなったのか? 

「会いたい」という思いは風に託す。

いつの日か夢の空に届けてくれるかもしれないから。

 

今作を通じて虎者が会うことを夢みて探し続けているのは、

生き別れた妹のカゲロウである。

今も無事に生きているかさえ分からない家族と会うことを夢みて、

虎者は修行を続ける。

 

いつまでも埋まらない   心のパズル1つだけ

どこに行けば出会える   探しているずっと今も

 

 

ずっと心に残る喪失感は「泣いたあの日」のせい?

その日に会えなくなってしまった人を、

今でも、どこにいても探しているということ?

 

『心のパズル』というワードがずっと気になっていた。

パズルって何だろう、何を意味しているのだろう。

これについては、如恵留くんが重要なヒントを与えてくれている。

 

川島「あとはお客さんという最後のピースをはめるのみ!」 

(ザ・テレビジョン 20191115日号 『ザ・虎ビジョン』より)

 

 

あ、と気づいた。 

「『心のパズル』ってファンのことだったんだ。」

 

「どこに行けば出会える」「探している ずっと今も」

虎者の物語本編を通して虎者がずっと探していたのは、 カゲロウは、

Travis Japanのことを応援している人たちのことだったんだ。

 

カゲロウは最後まで誰を好きになったのか明らかにされない。

7人のうちの誰か、としか言及されない。

Travis Japanの誰かを好きになり、

そこからTravis Japan皆を好きになったファン。

 

きっと、過去に応援していたことのあるファン、

今応援しているファン、将来Travis Japanのことを応援することになるファン、

全ての人を探してる。

宮近くんは「来る者は拒まず、去る者は、追う!」と言う人だから。

 

明るく振る舞ってる そうじゃなきゃ倒れそうで

未来はいつだってさ僕を照らしているんだと   信じて歩くだけ さあ 明日へ

 

泣いたあの日からずっと忘れられない人がいるけれど、

それはひた隠しにして明るく振舞っている。

いつかその人にまた会えるかもしれないと信じて、明日に向かって進む。

 

Namida Namida枯れるほど   泣いたあの日にさよならを

会いたい会いたい募るこの思いどうか   風よいつか届けて夢の空に

追い求める輝き 誰もが持ち描く理想

心に灯しながら 胸を張って歩んでゆく   

淋しさ哀しみを包み込み癒す光 

飢えたその瞬間こみ上げるこの感情   戸惑いながらでも解き放とう

 

Travis Japanにとって、「追い求める輝き」「誰もが持ち描く理想」とは何だろうか。 

その輝き、理想の火を心に灯していると胸を張れる。

その火は、淋しさ、哀しみを包み込んで癒してくれる。

でもその火に飢えた瞬間ある感情がこみ上げてくる。

その「ある感情」を躊躇しながらでも解き放とう。

 

今のトラジャにとって、追い求めている1つの通過点であり最大の目標は、

デビューすることだ。

 

その目標を胸に灯して歩いているけれど、

その火が消えそうになる度に 溢れてくる感情がある。

今までは見ないふりをしていたけれど、 戸惑いながらでも感情を解き放つ。

 

Namida Namida忘れない いつか答えは分かるだろう

熱く熱く今を感じて   素直にありのままで   止まらず 夢の空へ

 

最初は「さよならを」と歌っていたが、「忘れない」に変化している。

無理に忘れなくてもいい。

「答え」はいつか分かるから。デビューは順番だから。

今までは過去に「泣いたあの日」に思いを馳せていたけれど、

そこにばかり囚われるのはもうやめて「今」を感じよう。

風だけに思いを託すのではなく、 素直にありのままで、

次こそ自分が夢の空へ向かう。

 

虹の架かる(高く)雨が上がった丘で   

僕は何を見てるだろう   誰といるのだろう

まだ見ぬ世界

 

「泣いたあの日」「心のパズル」を1つなくした日から降っていた雨が止んだ。

虹が高く架かる丘の上。そこはトラジャが目指している高み。

誰と何を見ているのか。

「追い求める輝き」と「誰もが持ち描く理想」のある場所。

まだトラジャが見たことのない世界。

 

この描写も、デビューと重ね合わせざるを得ない。

 

Namida Namida 枯れるほど   泣いたあの日にさよならを   会いたい会いたい

募るこの思いどうか   風よいつか届けて夢の空に

 

光に溢れた「まだ見ぬ世界」があると知ったからこそ、 

泣いたあの日のことを受け入れていく。

素直にありのままで夢の空に羽ばたく。

泣いたあの日のことも受け入れて、その日から抱いていた感情も決して無駄にはしない。   

風にもすがりたいくらい会いたい人が夢の空にいるから。

 

 

「俺たちは、愛の力で、誠の虎者を目指す!」

その宮近くんの宣言で切って落とされた戦いの火蓋。

プロジェクションマッピングとウォールトランポリンを組み合わせ、

最先端の光の技術と最高水準の難易度のアクロバットを駆使して描かれる、

帝王・朱雀と光の忍者・虎者の戦い。

 

戦いの最中、父であり闇の帝王である朱雀とカゲロウは互いに攻撃し、傷つけ合う。

 

Travis Japanは、ジャニーさんがいなければ生まれることはなかった。

虎者を生んだのは、帝王・朱雀だ。

ジャニーさんは同時にTravis Japan「一番最初のファン」だったはずだ。

ジャニーさんがその人の中に光るものを見出さなければ、

彼らはTravis Japanになることも、ひいてはジャニーズ事務所に入所することもなかった。

 

 

帝王・朱雀はジャニーさんの「経営者」としての人格で、

虎者の妹・カゲロウはTravis Japanのファン」としての人格なのではないか。

 

 

ジャニーさんが息を引き取ってしまう前に決めた最後のデビューが

SixTONES』と『Snow Man』の2組だ。

Travis Japan3組で、ジャニーズJr.の兄組として、

横浜アリーナでの単独公演やSummer Paradise、帝劇のIsLAND等を引っ張ってきた。

デビューが決まったのは、その3組のうち、2組だった。

 

個人的な考えに過ぎないので独り言として聞いてもらえたら嬉しい。

ジャニーさんは「今がデビューすべきタイミングだ」と考えれば

デビューさせ、そうでないと判断すれば残酷な程にデビューさせない人だと思う。

でも、「今デビューできないことが後々ドラマになる」という考え方はしない

(仮に思っていたとしても、表には出さない)人だと思う。

 

ただ、「経営者」としてではなく「ファン」としては、

あるグループのデビューを決めることに、

逆に言えば他のグループをデビューさせないことに、

心苦しさを感じることも今まで多々あったのではないかと思う。

 

今年になってからも、

Johnny’s King & Prince IsLANDTravis Japanのことを褒めてくれたジャニーさん。

Travis Japan Concert 2019 ~ぷれぜんと~ を

「最高だよ」と褒めちぎってくれたジャニーさん。

5月にはオースティン・マホーンと『ニノさん』で共演していたから、

オースティンからのコンサートのオファーはもっともっと前に、

ジャニーさんの耳にも届いていたはずだ。

晩年も、Travis Japanの活躍をしっかり見ていてくれたはずだ。

そのような状況の中で「ジャニーズ事務所の経営者」として残した最後の選択。

 

 

朱雀とカゲロウの戦いは、そういう内なる葛藤にみえた。

 

 

朱雀がカゲロウをその手にかける、すんでのところで、

意識も朦朧として満身創痍な中で、

絶対にそんなことはさせない、とさらに奮起して戦う虎者。

 

 

そして終に、朱雀はカゲロウが握った己の剣に貫かれ、命を落とす。

 

父の周りに集まり涙を流すカゲロウと虎者たち。

「息子を殴る拳がこんなに痛いものとは」

「お前たち、こんな父でも許してくれるのか」

「未来はいつも、お前たちの前にある。

お前たちの照らす7つの光はこの世の闇を何時も照らし続けるのだ。

…歩みを止めず、己の夢の空へ羽ばたくがいい!」

朱雀は「『誠の虎者』になれなかった」と語る。

 

 

宮近くんが力強く発した「愛の力で『誠の虎者』を目指す!」という言葉。

『誠の虎者』とは何なのか。

 

 

 

それはきっと、これからのTravis Japanの姿。

 

 

 

二幕で最初に披露される曲は、イントロが『Namidaの結晶』調になった

Travis Japanのオリジナル曲『夢のHollywood』だ。

トラジャ自身もファンも「Travis Japanと言ったらこの曲」

と共通認識を持っている、Travis Japanの始まりの曲。

 

夢ハリの後、宮近くん、うみ、しめちゃん、如恵留くん、閑也くんがステージに残り5人だけになる。

そしてその後順番にステージに登場する松松。

この演出にも、トラジャの歴史を感じざるをえなかった。

 

そして、構成上エンディングに入る前の最後の曲と言える『VOLCANO』。

Namidaの結晶』と同様に今年に入ってトラジャの元にやってきた曲。

ここで少し『VOLCANO』についても考察させてほしい。

 

VOLCANO』 Travis Japan 

 

強烈な欲望のマグマ 挑発的にこの胸潜んで

今キミへの直撃に備えてる Yeah

掲げたフラッグ守り抜くPride

譲れない宿るMy soul

選ばれし者達に夢は逃げも隠れもしない

 

「欲望」とは何か?どんなことを欲しているのか?

キミって誰?

Travis Japan』というグループの旗を掲げ、その旗を守り抜くプライド。

自分の内側から湧き上がる譲れない魂。

選ばれた人達の前では、「夢」を掴み取った人達の前では、「夢」は逃げ隠れしない。

ということは、胸に潜むのは「夢を叶えたい(=デビューして日本はもとより世界で活躍したい…とか)」という渇望で、

その気持ちの高まりをぶつけるのはファンに対してだと解釈できる。

 

ステレオタイプの期待に温々浸るくらいなら

太陽を掴んでいたい Just gotta get it out!

Ah Ah Ah Ah

眠らない本能

 

単純な紋切り型の期待のぬるま湯に浸かっているくらいなら、

光り輝く夢を掴みたい。

自分が生まれながらに持っている本能を解き放て!

 

 

キバをむけ 唯一無二のMy skill

自分自身で創り出せ時代のスキーム

don’t give up don’t give up 振り返らない

衝動抑えきれずにExplode 

 

個々のメンバーは各々が歌や演技、様々な表現方法に挑戦しているけれど、

Travis Japanにとって唯一無二のスキルと言ったらダンスだ。

自分達だけが持つスキルで他を圧倒し、時代の枠組みは自分で創り出せ。

Travis Japanだけの道を突き進め。

諦めずに振り返らずに、衝動を抑えず爆発させろ。

 

目覚めたキミのDNAに 送られてきたメッセージ

そうさ偶然などない

あるのは必然 可能性は無限 迷わずGo my way

行き場を探し溢れる情熱

 

 「この場所には留まれない」と目覚めたTravis Japan

送られてきたメッセージ。

「偶然はなく、この場所に7人でいるのは必然。

7人の可能性に限界はない。迷わず自分の道を行け。」

自分の道を探して、情熱を溢れさせる。

 

解き放て…

 

以前松田元太くんキッカケで雑誌でこんなことを話していた。

(私この対談が大好きだ。ありがとうげんげん…。)

 

松田「オレは後から入ったからわかるんだけど、何かをまだ守ってる感じが正直ある。ほかのグループに遠慮してるのかなって。すばらしいグループなのにもったいないな。」

 

宮近「オレらは遠慮してるわけじゃないけど、SixTONESとか勢いが強いからそう見えちゃうんだろうね。」

 

中村「確かに。でもオレらの一番の持ち味はそろったダンスだから、それを保ちながら殻を破らないといけない。」

 

 宮近「たぶんバトルスタイルが違うんだよ。

SixTONESが攻撃系だったら、オレらは防御系とか魔法系。」

(『POTATO20188月号より)

 

SixTONESのオリ曲には、「この手離すなよ」(IN THE STORM)とか

「お前らは守るから」「どこまでもついて来な」

「お前ら絶対裏切らないから」(Amazing!!!!!!)とか、

「攻撃系」と言える、ファンに向けたどこか挑戦的で直接的な強いメッセージ

が散りばめられている。

 

対してTravis Japanの曲には「踊り続けよう」(夢のHollywood)や

「みんな集まって」(Happy Groovy)、

「この瞬間を感じようよ」(Dance with me Lesson1~)といった

Travis Japanのショーを観に来ない?」とファンに対して気軽に親しみをもって

呼びかけるような、優しくて柔らかな表現が多かった。

 

でも、2019年に入りTravis Japanとして授かった曲は違う

(キスマイ兄さんから頂いた『Talk it! Make it!』は除く)。

私は、今年に入ってトラジャの元にやってきたこの2曲は

Travis Japanが自分自身に覚悟を決めた陰と陽のオリジナル曲」

だと思っている。

 

しかしここでもファンに直接呼びかけることをしないという姿勢に、

Travis Japanの「魔法系」な「内側はすごくアツいんだけどそれをあえて出さない」

というバトルスタイルが貫かれているのかもしれない。どこまで自分達で背負うの。

ファンも振り返らずに進むからね、絶対にハリウッド行こうね、と思わされる。

 

二幕のエンディング前をこの曲で締めることにも、メッセージ性を感じさせるものがあると思えて仕方がないのだ。

 

 

 

この舞台は、1番初めに白の衣装の虎者と父の戦い、

父が敗れるシーン、父が虎者とカゲロウに看取られるシーンを描き、

言わば「結・起承転結」という構成となっている。

舞台のテーマ曲である『Namidaの結晶』は一幕の序盤に披露される。

一幕の最後にも虎者の朗読という形で

Namida Namida 枯れるほど 泣いたあの日に さよならを

会いたい 会いたい 募るこの思いどうか

風よいつか 届けて 夢の空に」

の、ワンフレーズが披露される。

 

全く同じ歌ではあるが、この2つのシーンの意味合いは全く異なると思う。

最初の『Namidaの結晶』は物語を通じて探し続けている生き別れの妹・カゲロウ

(=ファン)に対しての歌、

最後の朗読は父・朱雀、つまりジャニーさんへのはなむけの言葉。

 

Travis Japanの生みの親でもあり育ての親でもあるジャニーさんは、

遠いところにいってしまった。

残った家族は妹のカゲロウ、つまりTravis Japanの誰かのことを好きになって、

Travis Japanのことも好きになった、

Travis Japanのファンなのだ。

 

 

一幕の冒頭で帝王・朱雀の瞳と共にスクリーンに映し出される言葉に印象的な一言がある。

 

WHAT IS YOUR GOAL?

「虎者よ、息子たちよ。…お前たちは何を成し遂げようと望む。」

 

父からの最後の問いかけ。

 

今まで、2年に満たない期間だが、トラジャを応援してきて、

トラジャから「デビュー」という言葉を聞く回数は少なかった。

 

私が最初に入った現場の2018年のJr.祭り単独で、

如恵留くんが「トラジャとしての夢は?」と訊かれて

「デビュー」と答えていたのはとても印象に残っている。

 

しかし、雑誌で目標を訊かれた時に、

Travis Japanの面々は「トラジャ主演のミュージカルをやりたい」「雑誌のモデル」

「時代劇出演」「ドラマ出演」「後輩にも振りを付けてあげたい」

「ディナーショー」「東京ドームでコンサート」

「もう1度、横浜アリーナに立ちたい」と話していて、

「デビューしたい」と語っているのを見かけるのは、

本当にとてもとても少なかった。

横アリで話していた如恵留くんも、「目標はデビュー」だと

頻繁に口に出していた訳ではなかったと思う。

 

特に自担が宮近くんの私は、宮近くんの発言には注意していたが、

宮近くん自身が具体的な目標を口にする回数は極めて少なかった。

「目の前の仕事一つ一つで結果を出していくことが次に繋がる」という回答が多かった。

 

私は目の前の仕事を一つ一つ丁寧に確実に積み上げていけば次に繋がる、

という宮近くんの持つ信念が大好きだ。

 

キンプリがデビューして、

「デビュー組のファン(市場)は頭打ちで、

キンプリと同年代かそれより年上の層である今の兄組はデビューできない」

とされていた、今となっては嘘っぱちだった週刊誌の記事を読み、

勝手に落ち込んだこともあった。

 

実際にキンプリの人気は今うなぎのぼりで、CDの売上枚数、

ファンクラブ会員数も他のデビュー組に追随するどころか

追い抜くような勢いがあるし、テレビで見かけない日はなく、

雑誌の表紙になれば重版出来。

昨年の『Myojo』のJr.大賞で結果を残しているHi美以下の層も厚い。

営業をされている滝沢さんのおかげもあると思うけれど、

Jr.の露出はかなり増えてきていて、地上波で観られることも増えてきた。

「デビュー組よりも忙しい」と言っても過言ではない人も

Jr.の中には見受けられるほどだ。

トラジャが大好きで絶対に大きくなるグループだと信じてはいたけれど、

今のJr.の中でトラジャが1番に人気があると胸を張って言える状況ではなかった。

動画の再生回数で言えばJr.で最も人気があるのは圧倒的にSixTONES

ストがデビューできないなら、トラジャもきっと…。

CDデビュー」という形でなくても、

トラジャが活躍し続けてくれたらそれでいいかな、と思うこともあった。

定期的にパフォーマンスが観られて、YouTubeで楽しそうで仲良しな姿が見られて、

個人個人の仕事もしてくれていれば。

でも、8.8で分かった。

Travis Japanにも「CDデビュー」という道が存在するということが。

 

 

201987日、『Namidaの結晶』は虎者特報としてショートver.が配信された。

810日、Summer Paradise 2019初日。

中村海人さんの呼びかけが発端となり、Travis Japanのファンの間で

たった30秒の動画を怒涛の勢いで再生する日々が始まった。

100万回を達成できたらTravis Japanの未来が少しでもよい方向に傾くのかもしれない、

と、うみの呼びかけに応えようとした。

家族にも、V6ハロプロオタ、宝塚オタの友人にも、

ドルオタではない一般的な友人にも「1回だけでいいから」と再生をお願いした。

中には「こんなに歌も踊りもできるのにまだデビューしていないの!?」

と、トラジャのことを褒めてくれる友人もいた。

そういう時には「Travis Japanて言うの、これから必ず世に出るから覚えててね」と

嬉々として紹介した。

821日。やっと。とうとう。いよいよ。100万回に到達した。

その2日後の82317時、『Namidaの結晶』の完全版が

ジャニーズ事務所公式YouTubeチャンネル第一弾の動画として公開された。

 

1014日・15日には、トラジャにとっても思い出の場所になった

横浜アリーナで、オースティン・マホーンのバックについた。

海外アーティストのバックを務めるのは、

ジャニーズのアーティストとして初めてのこと。

そんな大舞台でTravis Japanはオースティンの前座として

会場を興奮と期待の入り混じる熱気で満たし、

オースティンのバックダンサーとしても最高のパフォーマンスを見せてくれた。

オースティンの公演は撮影OKだったので、Travis Japanのバックダンサーとしての

パフォーマンスは、TwitterYouTubeを通じて世界中に発信され、拡散された。

中には海外の方からコメントが届いている動画もあった。

 

 

WHAT IS YOUR GOAL?

ジャニーさんも純粋に思っていたのかもしれない。

Travis Japanはどうなりたいの?と。

 

『虎者』だけで披露されているVOLCANOの歌詞がある。

歌詞は公演中に聴き取れただけなので部分部分しか分からない。(これが合ってるかさえ分からない…!ご了承ください。)

 

「ギラギラのVOLCANO MAXボルテージ

過去も強さに変えて

ギリギリのFuture Don’t look back

自分見失わぬように」

「一心不乱に光掴め

Move on to the next stage

逆境さえも…」

 

 

この舞台が千秋楽を迎えた後、トラジャはどうなっているのだろう。

『虎者』は、ジャニーさんが企画・構成を手がけた最後の舞台だ。

父からTravis Japanへの最後の贈り物。

 

この後はTravis Japanが『誠の虎者』になっていくのを、

ファンは『愛の力』で助けていくことしかできない。

どんなに強くなるんだろう。どれほど揃えたり個性を出したりできるようになるんだろう。

どんな風に表現できるようになるんだろう。どんな顔を見せてくれるんだろう。

どれほどかっこよくなるんだろう。

 

Travis Japanが導き出す答えを目にするのが楽しみで仕方ない。

 

松竹さんやKADOKAWAさんを始めとしたこんなにも素晴らしい機会をくださった方々に、キャスト・スタッフの皆様に、

座長のTravis Japanに心からの拍手を送りたい。

 

千秋楽までTravis Japanとキャスト・スタッフの皆さまが、

無事に駆け抜けられますように。